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松阪市より櫛田川をさかのぼること約60km、三重県の中央西端部奈良県境に位置し中央構造帯の多雨地で急峻であるが杉・桧生育の適地である。
明治18年酒造業より転じて林業先進地の吉野地方に倣い、本格的に林業に着手した。製材業も手がけ、第二次世界大戦中僻地のため軍用材の供出を免れ、戦後の町村合併による村有地上権山林の購入も容易にできたこともあり、安定した法正林化を進めることができた。昭和32年に田中林業株式会社を設立し、昭和45年に属人の森林施業計画の認定、平成6年には法人経営改善計画の認定を受けて、面積約2,000ha(個人・法人合計)を経営する。昭和50年頃より間伐・択伐による混肴林長伐期育成と施業困難地の雑木林(有用樹種)化に努め、限りなく自然に近い山造りを実行している。
社訓を『よい種、よい苗、よい管理』とし、杉・檜とも地苗を(母樹林より採種)密植し(ha5.000本〜6,000本)枝打ち適期3回、除伐を行い優良材の生産に努め自社伐出市場直販(年間取扱材積8,000立方)としている。林業用機械の導入と管理のための林道、作業道は公共事業を積極的に進め、現在林道密度はha当たり約40mとなっている。
その他植物園を造園し、特産品加工と販売を有徳会員が行い、地域の村おこし事業に積極的に参加するとともに、平成9年からは地域の高齢者福祉事業を実施しながら更に関係機関の理解を得て林業と市全体の活性化に取り組んでいる。